The world of "TIME GAMBLER"


用語集

(朝日新聞社「知恵蔵2050」より)

こうちくこうい-ふへん-の-ほうそく【構築行為不変の法則】

2018年に服部今日子博士(1979-)が発見した時間と空間に関する法則。これにより、主観、客観を問わず過去・現在・未来において構築された事実は改変不可能であることが証明された。この法則の発見を受けて、時間旅行自由化法が成立した。⇒the low of conservation of the past

じかんりょこう-じゆうか-ほう【時間旅行自由化法】

時間旅行の民間企業への委託および一般国民の過去への時間旅行の自由化を認める、通称「タイムトラベル法」。2028年に可決、翌年に施行。これによって、日本でも地域限定、時代限定ではあるが、一般旅行者が時間旅行をすることが可能になった。

たいむ-ぎゃんぶらー【タイムギャンブラー】

カウンターヒストリーアイテム(過去よりもたらされた物品)を政府公認のオークションに出品することのできるライセンスを持つ「公認時間賭博人」の通称。時間旅行をすることで金儲けをする人間全般を指す言葉として使われる場合もある。

とこう-ちゅうい-じかん【渡航注意時間】

歴史上の災害現場など、外務省によりタイムトラベルに制限が設けられている時間と場所。一般の旅行者が立ち入ることは禁止。立ち入るためには、一定以上のライセンスを所持している必要がある。

ばっく-すとーむ【バックストーム】

時間を逆行するときに起きる現象。高い場所から落ちるような感覚に襲われる。慣れていない者は、乗り物酔いに近い状態になる。

おめが【オメガ】

狂信的に変動歴史説を主張する過激タイムテロリスト集団。構築行為不変の法則を否定しており、法則の発見者である服部今日子博士などを主なターゲットにしている。


登場人物紹介

服部今日子

はっとりきょうこ。構築行為不変の法則の発見者。時間旅行運行システムの特許により一代で莫大な財を築いた。1979年3月生まれ。2050年8月27日現在の基準年齢は71歳。
50年前の自分の記憶が何者かによって消されていることに気付き、過去へタイムギャンブラーを送る。

はっとりきょうこ。浦和理科大学理学部物理学科修士課程一年。小林ゼミに所属。1979年3月生まれ。2001年7月18日の時点で22歳。
好奇心旺盛でミステリ好き。天然ボケなところもあるが、理系学生らしく頭の回転は速い。よく転ぶ。

李龍仁

りー・ろんじん。国際指定B級ライセンスを持つタイムギャンブラー。中国系日本人。2028年生まれ。2050年8月27日現在の基準年齢は22歳。
服部今日子博士の依頼を受け、過去の彼女のボディガードをするために2001年へと飛ぶが、「時間の堂々めぐり」に巻き込まれ…。

マーク・タグホイヤ

国際統一指定A級ライセンスを持つタイムギャンブラー。国籍は日本。外務省の官僚を父親に持ち、幼少期を1980年代で過ごした。2023年生まれ。2050年8月27日現在の基準年齢は27歳。
服部今日子博士の依頼を遂行するため、学生として浦和理科大学へ潜入する一方、アンドロイドに「オメガ」としての記憶を与え、過去での襲撃事件そのものを捏造する。

大津久

おおつひさし。故人。浦和理科大学理学部物理学科修士課程一年。橋本ゼミに所属。1977年生まれ。2001年7月13日、大学構内研究棟第一実験室で何者かによって殺害される。享年、23歳。
明るい性格で、缶詰好き。菜々寸あすか助教授を慕って、浦和理科大学に進学した。突然現れる服部今日子にとまどいながらも、好意を抱く。

梶尾未来

かじおみき。今日子の同級生で、同じ小林ゼミの学生。ドライな性格で、常に物事を冷静にとらえる。何故かいつも週刊少年ジャンプを呼んでいる。1978年生まれ。2001年7月18日の時点で23歳。

菜々寸あすか

ななすあすか。故人。浦和理科大学助教授。「前後無限継続し不可逆的方向を持つ質量の可逆の可能性」について研究していた。1963年生まれ。2000年6月13日死去。享年、37歳。

日野ハジメ

ひのはじめ。国際統一指定B級ライセンスを持つベテランのタイムギャンブラー。1996年生まれ。2050年現在の基準年齢は54歳。
30代の頃、20世紀末期に長期滞在し、死んだ母親のそばで、名を「野比」と偽って研究していたこともある。

オメガ

おめが。変動歴史信仰者の時間テロリスト集団「オメガ」のメンバーだと思われていた襲撃者。実際は、服部今日子の記憶を消すために、マーク・タグホイヤによってオメガの一員であるという記憶を与えられたアンドロイド。ここでは便宜上、オメガと呼ぶ。
与えられた記憶に存在意義を見出し、歴史を変えようと足掻くが…。

細野正文

ほそのまさふみ。故人。鉄道院副参事。第一回鉄道院在外研究員としてロシア、イギリスの鉄道施設の視察を終え、ニューヨークへ向かう途中、タイタニック号の沈没事件に遭遇するも生き残る。だが、生還は歓迎されず、卑怯者とののしられる余生を過ごした。音楽家、細野晴臣の祖父。1912年4月の時点で41歳。享年、69歳。
…というのは仮の姿、実際は細野正文を装いタイムギャンブラーに接近した、服部博士子飼いのタイムディーラー。


今日子と龍仁の軌跡

年代事件
1912/4/14 龍仁、マークとともに依頼状を受け取る。
2050/8/27 龍仁、服部今日子に依頼を受け2001年へ飛ぶ。
2001/7/18 大津の葬儀当日。今日子、オメガからの襲撃を受け、龍仁に助けられる。
1999/7/18 オメガから逃げるために2年前に遡った今日子、大津と出会う。
1998/7/18 今日子、龍仁に頼み込み生前の菜々寸の元へ。大津、今日子と出会う。
1998/9/25 今日子、菜々寸の参加する自主ゼミに参加。
〜1999春 以後、何度か自主ゼミに参加。
2001/7/13 龍仁に頼み、殺人現場へ赴こうとするがオメガの妨害にあう。
1997/4/11 日野、オメガから今日子たちを逃がすために過去へ。今日子、4年前の梶尾と遭遇。
1999/9/24 今日子たちを助けた日野のメイン滞在時間。龍仁、マークと出会う。オメガの襲撃。
2000/6/15 菜々寸の葬儀当日。今日子、菜々寸からの伝言を大津に伝える。
2001/7/13 実験準備室から大津の殺害現場へ赴くが…。
2001/7/13 もう一度、廊下側へ。オメガによる妨害。
2003/5/24 東京湾アクアラインでの戦闘。大地震発生。
2001/7/18 今日子の元いた時間へ。今日子の推理。

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